まもなく、今後の国家の運営方針を決める「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる「骨太の方針」が閣議決定される予定になっている。

あまり注目されないが、実はこれが国家にとって最も大切なものであり、これを決めることが与党の最大の仕事なのである。憲法に従い国は毎年予算を決め、それを運営する仕組みになっている。これを決めるのが毎年1月半ばから始まる通常国会であるが、この前提には中長期的な目標と戦略が必要であり、これが「骨太の方針」と呼ばれるものなのだ。

2001年の小泉改革までは、予算の編成権をすべて大蔵省が担っており、政治家は大きな枠組み決定をするだけで予算にまで踏み込むことができなかった。しかし、小泉改革により、大蔵省を解体し、基本的な予算の編成権を政権と与党が担う形に改革したのである。

この骨太の方針であるが、官僚などが勝手に作るわけではなく、基本、政治家が作っているのである。自民党の場合、国会の委員会に並行する形で部会というものが存在する。例えば、厚生労働委員会と並行して、自民党の厚生労働部会があり、いわゆる族議員と呼ばれるそれぞれの専門分野に特化した議員がいるのだ。

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