一方、追加で処分される可能性のある事項は複数あり、ビットフライヤー社においては特に「取引している顧客が発したオーダーをシステムが受けきれず、売買したはずの仮想通貨が取引されなかったため顧客が一方的に損害を蒙るケースが後を絶たない」(当局筋)としています。実際、口座を持つユーザーからは取引したはずの内容が反映されなくて損害を蒙ったという証言が相次ぎ、内部の管理体制に問題が確認されたマネーロンダリング対策や顧客の本人確認業務の不備以前の問題が指摘される状況です。

とりわけ、ビットフライヤー社などが提供する仮想通貨を取引の基準価格とする証拠金取引(FX)については、15倍以上のレバレッジ(信用)取引を顧客に提供しているにもかかわらず、基準価格となる仮想通貨の売買金額がそもそも曖昧です。また、ライトニングと呼ばれるFX取引においては、SFDと称する「実際の仮想通貨相場と、証拠金取引相場での乖離率が一定割合を上回るとペナルティとして売買手数料を多く取られる」仕組みが入っており、この取引を正当化する根拠が全くありません。

さらに、このSFDがペナルティとして乗るのか乗らないのかは注文を出し、取引が成立しなければ手数料が取られるのかどうかすら顧客には分かりません。そして、金融庁や警察庁に数多く寄せられたとされる通報は「ビットフライヤー社がSFDペナルティを取りたいからか、ずっとSFDペナルティが発生する乖離率に相場が操作されているように見える」という内容で、これは観ようによっては仮想通貨を利用したオンライン10円ポーカーと同じ賭場開帳図利にも似た状況になります。

https://bitflyer.com/pub/announcement-sfd-change-ja.pdf

実際、仮想通貨で証拠金取引を開始したある仮想通貨交換業者に対し、一昨年、ビットフライヤー社から「貴社は仮想通貨で賭博をやるのか」というクレームを入れた経緯があり、業界内でも評判になりました。その後、ビットフライヤー社も証拠金取引事業に参入するのですが、エクスキューズとして、非常に高率の手数料を設定した「現物渡しシステム」を準備しているので単なる証拠金取引ではないと標榜するに至ります。

次ページ:仮想通貨事業者協会ではビットフライヤー加納氏の副会長就任に疑義も