■果たしてそれは「裏口入学」か? 適法性グレーな私立大学の学生選抜の仕組み
今回、東京医科大学が問題となりましたが、受験生を抱える親御さん周辺でいうならば、実のところ「私立大学には必ず卒業生枠や寄付金枠がある」という噂が跋扈します。また、文系学部では特に「優待制度を持つ大学では、学力が足りなくても有力者の子弟であれば入学がフリーパスになっている」という話が出るのも事実です。
問題を紐解くと、実際にそういう『裏口入学というわけではないが、大学に入りやすいよう斡旋してくれる紳士がいる』のも事実で、昔のようにどうどうと「どこの大学はどの教授や学部長にいくら包めば入れてくれる」というほど明確な線はなくなっています。しかしながら、いわゆる「推薦」や「斡旋」は普通に存在しており、とりわけ難関とされている私立大学の医学部や、六大学私立文系学部などでは稀に「どうしても子供を入れたい親の要請」に基づいて、大学の理事会や、大学によっては設置される入学委員会(審査会などと呼ぶケースも)に働きかけができるルートがあります。大学内に設置された評議会で特定の学部の入学者を一人や二人放り込めると豪語する人は後を絶ちませんし、実際そういう人に頼んで入れてもらった事例もあるようです。
もはや「裏口入学ブローカー紛い」として今回実名報道されるかもしれない状況にあるX氏とY氏についてですが、実際に当人たちに直接話を聞くと意外な実態が浮かび上がってきます。もはや「医学部以外にお金を出して入学しようという親御さんはいなくなった」というのです。
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