■日本の自衛隊だから持ち得る!? 平和に貢献するソフトパワー

さて、そんな中で私が最も感銘を受けたお話。【ソフトパワー】の話。

【ソフトパワー。国家が軍事力や経済力などの強制力ではなく、その国の持つ文化や政治的価値観、政策の魅力などに対する支持や理解、共感を得ることにより国際社会からの信頼や、発言力を獲得し得る力】のことです。

梅崎一等海佐の口調は熱を帯びてきます。

このソフトパワーを持つことこそが自衛隊と現代日本人、日本民族に最も必要である!と断言。

悠久の歴史が育んだ独自の文化。世界唯一無二、万世一系の天皇を戴く国柄。一神教ではなく、八百万の神々に深く感謝する宗教観。和を以て尊しとする、親切で約束を大切にする民族性。勤勉さ故に今日の繁栄を築き上げ、経済的な国際支援を怠らない政治的良心。かつてはアジア独立のために米国を始め、西洋の国々を相手に闘った誇り高さ。

当に天から授けられし力! 米国でもロシアでもありません。中国でもあり得ません! それが許されるのは、我が日本だけだと感じるのは私だけでしょうか?

自衛隊は軍ではありません。しかし武力を持った国防機関であることに変わりありません。梅崎一等海佐は武力とはおよそ真逆の考えを以て、自衛隊と日本の将来を考えていたのです。

そしてそのソフトパワーは特にPKOの場で発揮されたといいます。

戦闘に疲弊し、衣食住にさえ困った民族や地域住民。銃口を突きつけても、荒んだ心を溶かし、生きる希望と活力を与えることはできません。

先ずは共感し、理解すること。誠心誠意相手側に立って寄り添い、常に笑顔で接すること。これが日本の(自衛隊の)国際平和維持活動だったと。これに尽きると。

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