中東やヨーロッパを中心に、近年アゼルバイジャンを訪れる外国人旅行者数が伸びており、今後はさらなる増加が見込まれています。
・治安は決して悪くない
日本とはなじみが薄く、国人旅行者が多くないこともあって、治安が心配されがちなアゼルバイジャンですが、治安は決して悪くありません。人口10万人当たり殺人発生件数は2.14(世界125位)と、日本人が訪れるタイ(3.24で世界104位)よりも低い水準です。
特に首都バクーでは、昼夜を問わずあちこちに警官が立っていて、ひったくりや強盗といった力業の犯罪を起こす余地はないのではないかと思うほど。
地方では事情が異なりますし、夜の一人歩きは極力避ける、貴重品の管理に気を付けるといった常識的な注意は必要ですが、世界的に見てアゼルバイジャンが危険な国ということはありません。
ただし、アルメニアとの国境付近やアルメニアの占領地域は情勢が不安定なため、渡航の際には最新の情報を確認するようにしてください。
・新旧が融合する首都バクー
アゼルバイジャンを旅するほどんどの人がまず訪れるのが、カスピ海に面した首都バクー。近年、オイルマネーによって次々と前衛的な建造物が建てらたことから、「コーカサスのドバイ」とも呼ばれてきました。
2012年に完成した3つのビル群「フレイムタワー」や、新国立競技場の建設にまつわる騒動で日本でも有名になったザハ・ハディド氏が手がけたヘイダル・アリエフ・センターは、バクーを代表するモダン建築。
その一方で、バクーには世界遺産に登録された旧市街も残っています。
「イチェリ・シェヘル(内城)」と呼ばれるバクーの旧市街は、近代的な建築物が並ぶバクーのほかのエリアとはまったくの別世界。アジアとヨーロッパの建築様式が混在した砂色の町並みは、歩くだけでタイムトラベルしたような気にさせてくれます。
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