バクー近郊に位置する拝火教寺院(アテシュギャーフ)は、火を信仰する拝火教徒(ゾロアスター教徒)によって建てられた寺院。
かつてこの地で地表に噴出する天然ガスが自然発火したことから、拝火教徒のあいだで聖地とされるようになりました。インド北部と現在のトルコやシリアを結ぶルートの中継地でもあり、多くの僧侶や信徒の往来があったといいます。
燃え続ける「永遠の炎」を中心に据え、石造りの建物が取り囲む現在の姿は実に簡素ですが、だからこそ時が止まっているかのような雰囲気と、人智を超えたものが存在しているかのようなミステリアスな空気が感じられます。
バクーからのアクセスは、地下鉄コログル駅近くのバス停からバスで約30分です。
・ゴブスタン
バクーの南西約60キロのところにあるゴブスタン国立保護区は、古代人が描いた岩絵で有名。
荒涼とした大地に広がる岩山の裾野に、5000~20000年前に描かれた6000もの岩絵が発見されており、「コブスタンの岩絵の文化的景観」として世界遺産に登録されています。
牛などの動物や、船をこぐ人、狩りをする人、踊る人など、さまざまなモチーフが表現された岩絵の数々からは、素朴ながらも生き生きとした古代人の生活ぶりが伝わってきます。
岩絵群の近郊には、地下から噴出する天然ガスにより、地表に「ボコッ」と泥が噴き出す光景が見られる「マッドボルケーノ」もあります。
ゴブスタンへは、公共交通機関によるアクセスは不便なため、バクー発の日帰りツアーを利用するのがおすすめ。拝火教寺院も合わせて、バクー近郊の主要な見どころを制覇できるツアーに参加してもいいでしょう。
中世の面影を残す伝統的な町並みから、バブリーなモダン建築、さらには世界遺産の遺跡や摩訶不思議な自然スポットまで、異世界の風景がたっぷり楽しめるバクー。
日本ではまだ知られていないこの町の魅力を、その目で確かめてみませんか。
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