「風の町」を意味する、アゼルバイジャンの首都バクー。

カスピ海に突き出たアプシェロン半島の南岸に位置するこの町は、近年カスピ海の油田開発によって発展を遂げてきました。

2010年代に入ってから、フレイムタワーやヘイダル・アリエフ・センターなど、前衛的なモダン建築が次々と建てられたことから、「コーカサスのドバイ」とも称されるようになったほど。

その一方で、アゼルバイジャンという国やバクーという町は、日本人にとってはまだまだ未知の世界。それがどこにあるのか、それがどんな場所なのか知らないという人も少なくありません。

バクーとは、いったいどんなところなのか。近年の建設ラッシュで注目を浴びるようになった町を歩いてみましょう。

バクーの町は、中世の面影を残す旧市街を帝政ロシア時代に造られた町が取り囲み、さらにそれらをソ連時代の建造物群が取り囲むという構造。バクー市内の見どころは、おもにカスピ海に面した海岸公園周辺と、世界遺産にも登録されている旧市街周辺に分けられます。

バクーに到着したら、まずは世界最大の湖・カスピ海と対面。バクーの町の南側はカスピ海に面していて、中心部の海岸沿いには弧を描くようにして海岸公園が広がっています。

全長2キロにもおよぶ細長い海岸公園は、プロムナードや遊歩道のイメージに近く、カスピ海の風を感じながらの散歩はなんとも開放的。

世界で最も大きい湖だけに、カスピ海の景色は一見海とほとんど変わりません。カスピ海とフレイムタワーをはじめとするビル群が織り成す風景は、現代のバクーを象徴しています。

夏季にはショッピングセンター「パーク・ブルバール」前から、カスピ海クルーズも出港。海上からバクーの風景を眺めてみるのもいいですね。

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