中国のマイニング(新規発行や取引承認に必要となる計算作業)企業大手であるビットメイン社が、身元不明のハッカーに対して、同社がバイナンスに保有する口座から550万ドル相当(約6億3,000万円)の仮想通貨を盗難されたとして起訴したことが、米シアトルの地方裁判所に提出された訴状で明らかとなった。

訴状では、ハッカーが今年4月にビットメイン社の仮想通貨取引所バイナンスにおけるビットコイン(BTC)の口座を乗っ取り、仮想通貨の市場操作や資金の盗難を行ったとしている。同社の損失額はビットコインやそのほかの仮想通貨を合わせて約550万ドル相当にのぼるとの主張だ。

ビットメインは今年8月に企業価値が1.5兆円に到達したビットコインのマイニングを行うための専用機材をほぼ独占的に供給している企業であり、9月には香港証券取引所に大規模なIPO(新規公開株)を申請している。一方で9月末には、同社が2018年第2四半期の4億ドル(約460億円)の損失を隠蔽していた可能性があり、第2四半期の利益が実は7億ドル(約800億円)ではなく3億ドル(約340億円)なのではないかという疑惑が生じていた。