港の先端に位置するこの地には、アラゴンの領主の居城であった砦がありましたが、騎士団がここを拠点としてからは、騎士団長の住居となり、要塞が建設されました。マルタがイギリスの統治下にあった時代には、イギリスの海軍基地として使われていたこともあります。

大規模な修復作業を終えて、2006年に一般公開がスタート。マルタの歴史にふれられるスポットであるのはもちろんのこと、多数のヨットが停泊する華やかなマリーナやセングレアの町をはじめ、地中海とマルタ島の美しいパノラマを望むビュースポットとしても人気を集めています。

現在、下層部はマルタ政府の管轄になっていますが、砦の上階部分は騎士団の管理課にあり、団員が一人砦に住んでいるとか。

1798年に聖ヨハネ騎士団によるマルタ支配は終焉を迎えましたが、「マルタ騎士団」は主権実体(領土をもたない準国家)として存続しており、90ヵ国以上と外交関係を結んでいるというから驚きです。

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