ヴィットリオーザにおける戦いの歴史は、有名な大包囲戦だけにとどまりません。

騎士団がマルタを去った後、1800年から160年以上続いたイギリス統治時代にも、スリーシティーズは軍事戦略上重要な役割を果たしました。そのため、第二次世界大戦中は、枢軸国から度重なる砲撃や爆撃を受け、大きな被害を出すことになるのです。

ヴィットリオーザにある「マルタ戦時博物館(Malta at War Museum)」では、第二次世界大戦下のマルタを軍備や市民生活といったさまざまな切り口から紹介。

建物の地下に残された広大な防空壕に入ることもでき、戦時下の人々のリアルな暮らしぶりに触れられます。

現在の美しい町並みからは信じられないほどですが、マルタの歴史は戦争の歴史。マルタ戦時博物館には日本語のオーディオガイドも用意されているので、英語が得意でなくても大筋を押さえることができます。

波乱万丈の歴史を物語るスポットを訪れたら、路地裏の散策も楽しんでみたいもの。

ヴァレッタに比べるとずっと観光客の数が少ないヴィットリオーザでは、路地に入り込むと途端に人影が消え、時間が止まってしまったかのような静寂の世界が広がっています。

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