(この記事は、「DMM Bitcoin 田口社長インタビュー Vol.1:岐路に立つ仮想通貨交換業」からの続きです)

DMM Bitcoinのビジネス領域の拡大も

仮想通貨業界が岐路に立たされる中で、DMM Bitcoinとしては自社のビジネスを再定義する必要に迫られていると、田口社長は分析している。1つの戦略が決済領域へのビジネス展開だ。「資金移動業や前払式支払手段、もしくは代行収納。お客様に提供する新しいサービスに必要なライセンスを躊躇なく取得していく」と話す。仮想通貨が社会基盤として、決済もしくは決済に類するサービスを提供していくことを目指すためだ。

「会社として取締役会決議を得た上での判断ではないが、社会的基盤として根付かせるにあたって、電子マネーに該当するとなれば資金移動業。資産性が高い、ボラティリティが高いもの、あとは一定のアセットであったり、セキュリティに裏付けられたものを提供するとなれば、躊躇なく、金商法の一種、場合によっては二種のライセンスを取っていくことは必要だろう」
「グレーゾーンや法の抜け穴ではなく、必要な内部管理態勢とライセンスをコストをかけて整えた上で、自分たちの存在価値や提供価値を見出していく。来年上半期にかけ、どのようなライセンスが必要になるのかを見極め、その準備を進めていきたい」

ステーブルトークンは最有望なサービス

仮想通貨を決済として根付かせる方向性の1つとして、田口社長が挙げるのはステーブルトークンだ。資金移動業といった必要なライセンスを取得した上で、自らがトークン発行者となり、電子マネーを流通させる可能性もあり得る選択肢だと話す。

「一番足元ではステーブルトークンというのは、決済事業の中で中核的なものになっていくはずだ。自分たちがイシュア—となった形で、ステーブルトークンを発行することができれば、提供価値の1つになると考えている」
「そうなれば、資金移動業といったライセンスが必要になる。自分たちのユーザーのすそ野を広げていき、そして仮想通貨・分散台帳技術を用いた形で、社会基盤となるような決済サービス、もしくは決済に類するサービスを提供するということでは、避けて通れないだろう」
「これができなければ、いつまでたっても、ボラティリティに依存したサービスから脱却できない」

「『DMMトークン』は作らない」 狙うは決済の黒子

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