(この記事は、「DMM Bitcoin 田口社長インタビュー Vol.3:レバレッジ規制強化でも稼げるビジネスモデルに」からの続きです)
板取引は検討したが…
現在、DMM Bitcoinが提供するサービスは、仮想通貨の販売所とレバレッジ取引の2つだ。同社は板取引についても検討していたが、提供しないことを決定した。
「システムもほとんど完成し、本当に提供する寸前までいっていた。最後どうしようかという時に、お客様の利便性が損なわれるのではないか、ビットコイン以外で板をしても意味がないのではないかということを考慮した結果、提供しないことにした」
「板取引を提供することで、取引を成立させるため、ある程度、マーケットメイクをする必要も出てくるだろう。無理に板を作ろうとすると、売り買いがグローバルなものとズレてしまうこともあり得る。そういう恣意性が働くくらいなら、無理をして板を提供しなくてもいいのではいかと思った」
板取引を提供するよりも、スプレッドを縮めることやアプリの利便性を高めるといった方向性にリソースを注力する方がメリットがあるとの考えだ。
「板取引ができたからといって、お客様の利便性が高まるとは思わない。お客様の方としては、スプレッドを縮める方がメリットがあると思う。コスト競争力をつけて、スプレッドを縮める方向にもっていきたい。またスマホの取引ツールを使いやすくするという方が意義があるだろう」
取引ペアの拡大についても、今後検討する考えだが、顧客にとって意義のある方向で検討するとしている。
「取引ペアを拡大するというのも、やりたいけと思っている。その場合も、単に人気があるからというよりも、その仮想通貨に意義があり、今後拡大していくという確信が持てるものを扱っていきたい。決済などへの利用用途のあるものを、提供していきたい。その意味でステーブルトークンをやっていきたいし、いくべきだと思っている。海外で人気のあるコインをやったとしても、一時的にお客様を獲得できるかもしれないけど、長続きしないと考えている」
来年以降の仮想通貨相場は?
田口氏は、仮想通貨マーケットに新たなマネーが入ってくることが、相場上昇には不可欠になるだろうと話す。その際に1つのきっかけになり得るのは、米国で議論されているビットコイン上場投資信託(ETF)だろうとみる。
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