SBIホールディングスの北尾吉孝CEOは、1月31日に開かれた2018年4~12月期決算の説明会の中で、「リップルとR3を融合させる」との考えを打ち出した。その一環で、またSBIが展開する銀行間送金アプリ「マネータップ」や、デジタル通貨発行プラットフォーム「Sコインプラットフォーム」に仮想通貨XRPを導入する意向も表明。「XRPのプラクティカルユース〔実運用〕を増やしていく」(北尾氏)のが狙いだ。北尾氏は、将来的に「(XRPが)ビットコインの時価総額を簡単に超えると思う」とまで語った。
リップルとR3を融合
リップルとR3は17年にXRP購入の合意を巡って法廷闘争を繰り広げていたが、昨年9月に和解が成立した。北尾氏は両者に対して和解をするよう促してきたという。また1月30日にSBIとR3は、合弁会社SBI R3 Japanを設立した。同社はR3が手掛ける分散台帳技術「コルダ(Corda)」の日本でのライセンス販売で実装支援を進める。SBIは既にリップルとの間でも合弁会社を設立している。
R3とリップルの和解、そしてR3との合弁会社設立が進み、北尾氏の次の目標はR3とリップルの融合を目指すことだという。
「一番重要視しているのは、R3とリップルを融合させて、XRPを徹底的にプラクティカルユースできるものにしていくことだ」
決算説明会の資料で示されているが、北尾氏の構想では国際送金はリップルが主体となり、R3はサプライチェーンや不動産、ポイントなど、金融に留ずに幅広いプロジェクトを推進していくことになる。
一方、R3自身も国際送金のためアプリケーション「コルダ・セトラー(Corda Settler)」を昨年12月に発表している。これは「コルダ」のプラットフォーム上で動く分散型アプリ(CorDapp)だ。仮想通貨XRPをサポートしている。
これについて北尾氏は次のように述べている。「R3は別にコルダを国際送金に使ってもいい。ただしコルダ・セトラーはXRPと親和性があり、これを一緒に使うことになる」
SWIFTとR3の提携は「グッドニュース」
銀行間国際送金を手掛けるSWIFTは1月30日、R3と提携することを発表したばかり。SWIFTはコルダを活用した概念実証(PoC)を行う予定だ。
北尾氏はこれは「グッドニュースだ」と指摘する。「SWIFTという1日1500万件のトランザクションをしょりする国際送金を支える仕組みが、自らの既存の仕組みではダメだと認識したということだ。現状のシステムでは本物はできなと判断し、コルダになびいているのだろう」
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