クチトンネルに到着したら、まずはベトナム戦争時の記録映画を鑑賞。ベトナムの人々がこの地でどのように暮らし、どのように戦ったのかが描かれています。

特に印象的だったのが、まだあどけなさの残る少女たちが、果敢にアメリカ軍に立ち向かっていくシーン。彼女たちにとって、米兵を倒し、街や家族を守ることは、絶対的な正義であったように見えました。

記録映画を鑑賞した後は、いよいよ地下トンネルに潜入。トンネル内は、当時の解放戦線兵士の衣装に身を包んだガイドさんが案内してくれます。

「思ったより広いんじゃない?」と思ってしまうところですが、これは観光用に広げられたトンネル。実際に使われていた地下トンネルは、米兵が入って来られないよう、もっと狭く造られていました。

観光用に広げられているとはいえ、身長150cmと小柄な筆者でも、身体を折らなければ前に進めないトンネル内。暗く、酸素も薄いこの空間で、息を潜めて暮らしていたなんて、ベトナム人の我慢強さに頭が下がる思いです。

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