マラッカ(またはムラカ)はマレーシア南西岸に位置するマラッカ州の州都であり、古くから交易で栄えた世界遺産の街でもあります。

この街を訪れたら、ぜひ味わってみたいのが、米粉やパームシュガーなどを使った素朴な伝統菓子「クエ」です。クエ(Kuih)は、マレーシア語でお菓子の意味。

今回紹介するのは、マラッカの有名な手作り伝統菓子屋さん「ババ・チャーリー・ニョニャ・ケーキ(Baba Charlie Nyonya Cake)」です。

(19世紀後半までにマレーシアに移住した中華系移民男性が現地の女性と結婚し、生まれた子孫のことをプラナカンと言いますが、その子孫のうち、男児をババ、女児をニョニャと呼びます。)

1988年創業のババ・チャーリー・ニョニャ・ケーキは、もともとはマラッカのナイトマーケットで手作りのお菓子や餅を売っていたそうです。現在は商品を製造・販売するショップと飲食ができるカフェの2店舗を営むほか、ホテルや結婚式場などにもお菓子を卸しているとのこと。

お店の中では、数名の女性が昔ながらの方法でクエを作っています。上写真は、塊のパームシュガーをすりおろしているところ。ヤシ類から採取できる砂糖であるパームシュガーは、黒糖にも似たコクのある素朴な甘さが特徴です。

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