ドイツといえば、ミュンヘンやロマンティック街道などが有名ですが、日本ではほとんど知られていない小さな町を訪れれば、まったく違った「ドイツ体験」ができます。

そのひとつミッヒェルシュタットは、ドイツ南部・ヘッセン州のオーデンの森に囲まれた可愛らしい町。741年にはすでに文献に登場しており、この地域でも特に古い歴史をもつ町です。

中世の面影が残っているにもかかわらず、さほど観光地化されていないミッヒェルシュタット。歴史都市であると同時に、穏やかな時の流れが感じられるこぢんまりとした田舎町です。

ミッヒェルシュタットへのアクセスは、フランクフルトから鉄道で75~90分程度。もちろん、フランクフルトからの日帰り旅行も可能です。

ミッヒェルシュタットのシンボルとして知られるのが、マルクト広場に面して建つ後期ゴシック様式の市庁舎。オレンジがかったとんがり屋根と、こげ茶の木骨組みとのコントラストがとっても愛らしく、一度見ると忘れられなくなります。

ミッヒェルシュタットのこの市庁舎は、ヴェルニゲローデの市庁舎と、アルスフェルトの市庁舎とともに、ドイツに3つあるとんがり屋根の市庁舎のひとつ。市庁舎にこんなに可愛らしいデザインを採用するなんて、さすがはメルヘンの国ですね。

童話の世界から飛び出してきたかのような市庁舎は、いかにも長い歴史を刻んでいそう・・・それもそのはず。この木組みの市庁舎が建てられたのは、1484年のことなのです。

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