ブロックチェーンの技術開発などを手がけるソラミツは18日、カンボジア国立銀行と、ブロックチェーン「ハイパーレジャーいろは」を活用したトークン型のカンボジア国立銀行デジタル決済「バコン」を開発し、正式導入に向けたテスト運用を開始したと発表した。カンボジアにおける金融包摂の促進をねらいとしている。

「バコン」は、それ自体が現金と同等の価値を持ち、流通可能なトークン型のデジタル決済。カンボジア国立銀行が主導的に運営し、強固なセキュリティと十分な処理能力を備え、安全、簡単、迅速に、そして無料で現地通貨のリエルやUSドルの決済・送金が行えると伝えている。また、利用者は相手の携帯電話番号宛に直接送金したり、QRコードをスキャンして決済や送金を行ったりすることが可能であるという。

同社は「バコン」により、少額のリテール決済から高額の銀行間取引まで一貫してブロックチェーン化し、国家全体の決済アーキテクチャーの大幅な簡素化・低コスト化を実現したとしている。

「バコン」の参加銀行は、銀行APIネットワーク経由で「ハイパーレジャーいろは」ブロックチェーンを使用する「バコン」プラットフォームに接続。利用者(個人、店舗、企業)は、各銀行が提供するゲートウェイに接続し、「バコン」プラットフォームを介して相互に決済や送金を行うことができる。

同社は『利用者にとってオンラインで気軽に開始できる決済手段であると同時に、カンボジアの金融機関にとっても、以前はアクセスが困難であった銀行口座を持たない人々に「バコン」サービスを提供し、銀行口座開設を促すことができる』と説明している。