トルコ共和国最大の都市、イスタンブールは、首都のアンカラを凌ぐほど都会的な一面があります。ボスポラス海峡によってヨーロッパとアジアに大陸を二分されているイスタンブールは、エリアによって全く違う表情がありますが、都会で洗練された雰囲気が漂っているのはヨーロッパ側の新市街です。

バスやメトロが発達しており、新市街と一口に言っても降りる駅によって全く印象が異なります。外資系の企業もどんどん進出しているビジネス街ではきっちりとしたスーツに身をまとっている人が多かったり、高校や大学があるエリアではトルコの学生の飾らない日常生活を垣間見ることができます。かと思えば、オスマン帝国時代に建てられたドルマバフチェ宮殿や、ショッピングや食事を楽しむことができるノスタルジックな路面電車が走るイスティクラル通りでは世界各国からの旅行者で活気に満ちています。

そんな新市街の中でも、西洋風の街並みがいい意味でトルコらしくなく、高級なブティックやおしゃれなレストランやカフェが軒を連ねるエリアがニシャンタシュです。

ニシャンタシュは、流行に敏感な若い男女に特に人気があるエリア。天気の良い日にはレストランのテラス席で優雅にブランチを楽しんだり、おしゃれな恰好をしてカフェで友達同士で会話を楽しんだり、ショッピングを楽しんでいる地元の人の姿はもはやこのエリアの定番です。

その土地柄のせいか、やや高級志向のカフェが多いのも事実なのですが、ニシャンタシュにありながらもカジュアルでモダンな雰囲気を楽しむことができるカフェが、カフェ・ネロです。

カフェ・ネロは、ロンドンに拠点を置くコーヒーショップのチェーン店。ヨーロッパを中心とする各国に進出し、イギリス、アイルランド、ポーランド、トルコ、アラブ首長国連邦など11か国で1000を超える支店を構えている、イタリアのコーヒーショップにインスパイアされたヨーロッパスタイルのカフェです。

ニシャンタシュのカフェ・ネロは、ヨーロッパ風の街の雰囲気にもよくなじむシックな外観。店内に入るとまずはバーカウンターがあるので、メニューボードに書かれてあるドリンクやショーケースに陳列されているパンやスイーツの中からお好みの商品を選んで、レジで店員さんに伝えてお会計を済ませます。注文した商品をトレイに乗せて、好きな席でいただくという、日本でもよくあるセルフサービススタイルです。

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