東京都の小池百合子知事が27日の都議会で、東京都が実施するキャッシュレス推進のモデル事業「東京ユアコイン」について、付与対象の拡大を検討する意向を示したことが、27日付の日経新聞の報道により明らかとなった。

報道によれば、小池知事は、ボランティアや防災活動などに「より広がりがあると考えられる」と述べたうえで、「来年度引き続き実証実験を行う際は、対象拡大も含めて今後検討したい」との見解を示したという。

「東京ユアコイン」は、通勤ラッシュの混雑を避けるため出勤時間をずらす「オフピーク通勤」、マイバックを持参した買い物やプラスチックごみの削減など、SDGsに貢献した人が、かかった費用をキャッシュレス決済で支払うことを条件として付与するポイント。ポイントは買い物などに使うことができる。同事業はこの独自ポイントを発行することで、SDGs(持続可能な開発目標)活動を喚起するとともに、同ポイントの利用によりキャッシュレス化を促進することを目的としている。

三菱総合研究所は1月8日、同事業の「オフィスエリア型」の実証実験を東京・大手町、丸の内、有楽町地区で開始すると発表。2020年1月9日~2020年2月28日にかけて、千代田区大手町・丸の内・有楽町地区のオフィスワーカー、および来街者を対象に行うとしていた。スマートフォン向け専用アプリを使い、時差出勤に貢献した人や、対象店舗でレジ袋を使わなかった人などにポイントを付与し、もらったポイントは対象店舗における購買に使えるほか、「nanacoポイント」「Pontaポイント」「Tポイント」から希望するポイントに交換したり、SDGs活動を支援するための基金「エコ結び」へ寄付したりすることができる。

小池知事は2019年度のモデル事業について、「多くの方々に参加いただいた」と評価し、スマートフォン向け専用アプリのダウンロード数が「実験開始1カ月で1万件を超えた」と説明したと報じられている。