以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2020年8月3日に執筆

ご存知の通りビットコイン(BTC)が堅調である。いくつかの指標をみてみよう。

ビットコインは昨年の5月にも急上昇し、その際には4,000ドル付近から14,000ドルまで上げた。しかしその後反落し、コロナショックでは再び4,000ドルをつけるなど、持続性がなかった。

しかしながら、今回の相場をみていると、昨年5月とは違う点が見受けられる。

まず、前提としてビットコインのハッシュレート(マイニングの1秒あたりの計算力)とマイニングの難易度だ。ハッシュレートは120ETH/sと過去最高を更新中であり、価格とハッシュレートが同時に上がる堅調なサイクルに入った。

次に、暗号資産市場全体の時価総額におけるビットコインのドミナンス(占有率)であるが、昨年は、春先のボトムの55%前後から8月には70%を超えた。つまり、ほぼビットコインのみに資金が集中した相場だったと言える。今回は、75%前後から70%前後と、ビットコイン価格は上昇しながらも、むしろビットコインのドミナンスは緩やかに下がっている。

他の暗号資産の状況を見るとわかるが、イーサリアム(ETH)と、DeFi(分散型金融)関連の銘柄を中心にお金が入っている。つまり、暗号市場全体とまではいわないものの、市場に広くお金が戻ってきているといえる。この環境の違いは大きい。

当然これをもたらした要因はいくつかあり、ここで細かく分析するには分量が足りないが、緩和マネーによるところは大きいだろう。

今回の相場は持続性があり、中期〜長期に及ぶ可能性がある。先日ビットコインが高騰した後、約15分で1,500ドル程と、短期的に大きく値を下げる通称フラッシュクラッシュと呼ばれる現象が起きた。ただ、こうしたミクロの動きに迷わされず長期に賭けておけば、美味しい果実になるだろう。

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執筆者名:大石哲之(Tetsu ‘BIGSTONE’ OISHI)
ブログ名:ビットコイン研究所