【2022年10月21日 アブジャ(ナイジェリア)/ニューヨーク発】

過去10年間で最も深刻な洪水に見舞われたナイジェリアでは、250万人以上が人道支援を必要としており、そのうちの60%が子どもです。ユニセフ(国連児童基金)は本日、水系感染症、溺死、栄養不良のリスクが高まっていると、警鐘を鳴らしました。

* * *

ナイジェリア国内36州のうち34州に被害をもたらした洪水により、130万人が避難を余儀なくされています。600人以上が命を落とし、20万棟以上の家屋の一部または全部が損壊の被害を受けています。下痢症や水媒介の感染症、呼吸器感染症、皮膚病などの患者数はすでに増加しています。北東部のボルノ、アダマワ、ヨベの各州だけで、10月12日現在、合計7,485人のコレラ患者と319人の関連死が報告されています。雨は依然として数週間続くと予測されているため、人道的ニーズも高まることが予想されます。

「洪水の被害を受けた地域の子どもや若者は、極めて脆弱な状況に置かれています」と、ユニセフ・ナイジェリア事務所代表のクリスティアン・ムンドゥアーテは述べています。「彼らは特に、水系感染症や精神的・心理的苦痛のリスクにさらされています。ユニセフは政府や他のパートナー機関と密接に協力し、最も必要としている人たちに命を守るための支援を提供しています」

洪水は、すでに不安定な同国の人道状況を、さらに複雑にしています。子どもたちにとって急を要する優先的ニーズは、保健、水・衛生、そして避難所や食料です。増大するニーズに対応し、障がいのある子どもを含む最も弱い立場にある人々に焦点を当てた継続的な人道的介入を維持するためには、さらなる資金とリソースが必要です。

ユニセフの「子どもの気候危機指数(CCRI)」によると、ナイジェリアは気候変動の影響を受け「極めて高いリスク」にさらされる国とされ、163カ国中2位となっています。「極めて高いリスク」を抱える国の子どもたちは、水や衛生、医療、教育などの基礎的なサービスが十分に行き届いていないため、根本的に子どもの脆弱性が高いことに複数の気候・環境ショックが組み合わさって、致命的な状況に陥っています。

これまでにユニセフは、ジガワ、ナイジャー、カドゥナの被災3州において、現金支給、コレラキットの配布、政府主導の医療チームの巡回、臨時学習センターと学習キットの提供などを通じて、ナイジェリア政府の対応を支援してきました。資金とリソースの追加により、ユニセフは他の州でも、命を守る医療機器や必須医薬品、水の塩素消毒剤や衛生用品の提供、さらには性暴力やジェンダーに基づく暴力の防止と対応を拡大することができます。