3月5日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、立憲民主党の小西洋之参議院議員(51)が2日に公表した放送法の「政治的公平」に関する文書について放送。しかし、まるで他人事のような放送内容に視聴者から疑問の声が集まっている。
この文書は、第2次安倍政権時の2014年から2015年にかけて、官邸と総務省の担当者が協議した記録とされるもの。安倍内閣が『サンデーモーニング』を中心に番組の政治的公平性を疑問視したと取れる内容となっていた。
また、文書には安倍晋三元首相(享年67)と、当時の総務相だった高市早苗経済安全保障担当相(61)が電話で放送法について打ち合わせしたとの記載があったが、これについて、3日の参院予算委員会で高市氏は「放送法について私は安倍氏と打ち合わせをしたことはない」とし、「捏造」だと指摘していた。
問題の当事者ともなった『サンモニ』は5日放送回でこの騒動を報道。出演していた元TBS記者でキャスターの松原耕二氏(62)は「信憑性についての議論もある」としつつも、「少なくとも当時何があったかについては、政治の場がちゃんと説明する必要がある」とした。
さらに、放送法について「戦時中にメディアが政府と一体になって戦争に突き進んだ、 大本営発表をそのまま流してきたという反省から、政治の介入を排除して放送局が自由に放送することを保証するものである」とあらためて説明。「そもそもこの成り立ちを忘れてはいけないと思いますし、この精神をやっぱり我々は忘れてはならない」と持論を展開した。
また、MCの関口宏(79)はこうした流れで「いろいろご意見はあると思いますが、我々は我々の番組を淡々と貫いていかなきゃいけないなと思います」と結論付けていた。
「しかし、この問題が扱われたのはごく短い時間。視聴者からは、『いやいや、文書の話しろよ』『偏ってる自覚は?』『偏向についてコメントして』というツッコミが殺到していました。そもそも『サンモニ』が偏った放送をしていると考える視聴者が、ある一定数存在するのは誰の目にも明らか。今回視聴者が求めていたのは、放送法の成り立ちなどではなく、自分たちの報道姿勢を制作者側がどう思っているかどうか。そこにはまったく触れずに、なぜか他人事目線で取り上げたことに厳しい批判の声が集まっていたようです」(政治記者)
TBSを代表する報道番組の『サンモニ』。視聴者が抱いた疑問に答える日は来るのだろうか。