かつて明治時代の日本において、多くの知識人や文化人が集まっていた場所、それが「喫茶店」。

そんな時代の流れを脈々と受け継いで今にその香りを届けてくれているのが「純喫茶」というジャンルのカフェ。

実は「喫茶店」にはかつて「特殊喫茶店」と呼ばれる、現在のクラブやキャバレーのようなものがあり、それと区別するために「純喫茶」と呼ばれるようになったという歴史があり、昭和の時代には非常に多く存在した純喫茶は残念ながら現在は少なくなってきている。

しかしながら味わい深い純喫茶で過ごす時間は懐かしさや愛しさに溢れており、時間を味わうためには最適な場所。

今回はそんな時の移ろいを、ゆったりとした昭和レトロな空間で美味しい紅茶と共に味わえる長野県長野市にある純喫茶の1つをご紹介したい。

お店の名前は「ティールーム 幸(ゆき)」だ。

・階段を上がって店内に入ると、昭和にタイムスリップ

こちらのお店、長野駅からすぐの場所にある紅茶専門の純喫茶。全国探しても紅茶専門というのはあまり存在していないので、紅茶が好きな人にとっては非常にありがたいお店かもしれない。

お店は2階にあるため、階段を登っていくのだが、この階段こそが昭和にタイムスリップするための装置のような雰囲気すら感じる。

親切なマスターが待っているお店の扉を開けたのなら、そこはこの場所でしか味わえない空間を楽しんでもらいたい。

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