7月29日(月)、東京都内にてカンロ飴やピュレグミなどで知られるカンロ株式会社が2024年中間決算説明会を実施した。

取締役常務執行役員CFOの阿部一博氏が行なった中間決算内容の報告では、キャンディ市場自体の販売が増加していて、チャネル別でも全チャネルで販売が増加していると市場動向について説明。

カンロの売上高に関しては、グミが非常に好調で、市場の伸びを超えて伸長し、同社の飴の売上高を上回った。これはカンロの歴史において初のことだという。全体の売上高では、3期連続で上半期過去最高益を更新した。

中期経営計画2024の取り組みと直近のトピックスについての発表も行なわれた。こちらは代表取締役社長の村田哲也氏が説明した。

現在の好調な業績を牽引しているのは、コア事業の一般流通における飴・グミの販売だと村田氏は解説。

コア事業以外の新規事業に関しては、2024年にカンロの直営店の都内2店舗目の常設店としてオープンした「ヒトツブカンロ原宿店」が順調であること、グローバル事業では台湾・香港においてパッケージの裏面表示で中文に対応するなど地道な施策を行なっていることなどが紹介された。

2024年の経営方針に関しては、顧客起点を強化しての「ブランド基軸経営」を推進すると説明。そのために、顧客を広げる「拡張」と顧客との関係を深める「深化」の施策に取り組んでいくという。

拡張のための施策の一例として、村田氏は新ブランド「アメージングカンロ」を紹介した。アメージングカンロは商品の新たな体験価値を提供していくブランドで、第1弾の商品として発売したSNSでも人気となっている「ホシフリラムネ」では今年の7月7日の七夕にインスタライブを配信。第2弾として発売したクラゲの形をしたグミで話題の「シークラゲグミ」の赤バージョンを8月27日に発売する。さらに、2024年冬にはアメージングカンロ第3弾商品を発売する予定だ。

深化のための施策では、コミュニティサイトなどを通じてカンロのファンとのつながりを強固にしていく。現在プレオープン中のコミュニティサイト「Kanro POCKeT×(クロス)」(https://community.kanro.jp/)を、2025年1月にグランドオープンさせる予定だ。

「Kanro POCKeT×(クロス)」という名前のとおり、情報を発信するだけでなく、ファンとカンロがクロスする(交差する)場所になることを目指すという。

発表会の最後の質疑応答で、グミが飴の売り上げを抜いたことについて聞かれた村田社長は「グミを成長エンジンとして進めてきたので、それがうまく回ってきたということだと思う。ただ、飴とグミの両方がエンジンとして回っていくのが理想なので、飴のほうも適切な手を打っていかなければいけない」と気を引き締めた。