「ゴッズ・オウン・ジャンクヤード(God’s Own Junkyard、神の恵みのガラクタ置き場)」という名称も、「ゴッズ・オウン・カントリー(God’s Own Country、神の恵みの豊かな土地)」という意味を持つ言葉をもじっています。

リメイクを施したキリスト像やネオンの十字架と共にヒンズー教の神々などが飾られた祠(ほこら)や、信仰についての言葉をライトで表した作品も単なるパロディではなく、筆者はクリスさんの信仰に対する複雑な感情が入り混じったようなものを感じました。

グラフィック・デザイナーとして社会に出た後に父と同じ道を進み、ネオンサインの制作を手掛けていたクリスさんに転機が訪れたのは、80年代のこと。

その頃ロンドン中心部の風俗街「ソーホー(Soho)」地区にある風俗店のネオンサインのほぼ全てを手掛けていたというクリスさんは、ソーホーでサインを設置していた時、たまたま通りかかった映画監督ニール・ジョーダン氏の目にとまります。そしてジョ-ダン監督の1986年公開映画「モナリザ」に使用するネオンサインを制作したことをきっかけに、クリスさんのもとに次々と映画で使用するネオンサインの制作が舞い込むようになります。

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