伝統と革新が同居するエキサイティングな大都会ロンドン。その「伝統」の部分がぎっしりと詰まっているのが、英国王室ゆかりの地の数々です。

ロンドンを旅行するなら一度は訪れたい、華麗なる王室ゆかりの地10選をご紹介します。

・バッキンガム宮殿

エリザベス女王の公邸として世界的に有名なバッキンガム宮殿。しかし、実際にその姿を目にすると、イギリス女王の宮殿にしては簡素な印象を受けるかもしれません。

それもそのはず。バッキンガム宮殿はもともと1703年にバッキンガム公の私邸として建てられたもので、1837年のヴィクトリア女王の即位とともに英国王室の宮殿となりました。

外観こそ質実剛健ですが、莫大な費用を投じて改装された内部は、当時批判の的にもなったほど贅を尽くした豪華なもの。夏季限定で宮殿の公式広間19室が一般公開されるので、夏にロンドンを訪れるなら息を呑むほど美しい部屋の数々は必見です。

さらに、宮殿前では4月~7月末までは毎日、その他の期間は隔日の午前11時半から衛兵交替式が開催されます。赤いジャケット(冬はグレー)と黒いフワフワの帽子を身に付けた衛兵たちが行進する風景は、「ザ・ロンドン」。「ロンドンに来た!」という実感が改めてこみ上げてくることでしょう。

・ウエストミンスター寺院

世界遺産にも登録されているウエストミンスター寺院は、ロイヤルウエディングや戴冠式など王室の公式行事が行われる特別な教会。

8世紀にはすでにここに教会が建っていたという言い伝えもありますが、現在のような壮麗な大寺院となったのはエドワード証誓王の治世下にあった1065年のことです。それから200年後、ヘンリー3世が当時フランスで流行していたゴシック様式に改築しました。現在寺院内で見られる彫刻は、その時代のものがほとんどです。

歴史の重みを感じさせる重厚感あふれる外観は「圧巻」の一言。内部には、精巧に装飾された天井や、まばゆいばかりのステンドグラスが織り成す荘厳な世界が広がっています。

1066年のウィリアム征服王以来、40人の王や女王たちがここで即位しました。現エリザベス女王の戴冠式にも登場した、戴冠式の椅子も必見。

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