庭や室内の飾りとして、寺院へのお供えとして、花はタイの人々にとって欠かせない身近な存在。タイの首都バンコクには、そんなタイの花文化が肌で感じられる場所があります。

それが、サクン・インタク氏が2012年にオープンさせた「花文化の博物館」。

サクン氏は、タイ国王の戴冠といった王室の行事の装飾や、ブルガリをはじめ世界に名だたる高級ブランドのイベントのフローラルアートも手掛けるタイを代表するフローラルアーティスト。その際立ったセンスが国内外で高く評価されています。

花文化の博物館は、そんなサクン氏のこだわりを反映したミュージアム。「博物館」といっても、ただ展示物を見て学ぶだけでなく、ロビーや庭も含めた空間全体から彼の世界観が感じられる場所となっています。

博物館があるのは、ドゥシット地区の閑静な住宅地。公共交通機関でのアクセスは不便なため、BTSアーリー駅からタクシーに乗るのが最も簡単。

ただし、穴場観光地的存在であるこの博物館は、名前を告げてもタクシーの運転手も知らないことが多いため、博物館の公式サイトに書かれているタイ語の住所や行き方を印刷またはスマートフォン等に保存し、タクシーの運転手に見せられるようにしておくといいでしょう。

「こんなところに世界的フローラルアーティストの博物館があるの?」と不安になってしまうような、ひっそりとした通りにたたずむ花文化の博物館。

緑が生い茂る敷地内に入ると、ここが喧騒の大都会バンコクであることを忘れてしまうほど静謐な世界が広がっています。

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