実はこのニュースに書かれている漁獲は、産卵場で行われている。もちろん捕ってるマグロは子供を産むためにやって来た産卵魚たちだ。次世代を残す前の段階で、一網打尽にされているというのが現状だ。これらのマグロの腹の中からはたくさんの卵が採取されている。

産卵場で産卵魚を網で巻くなんてことは、わが国以外ではほとんど禁止されていると聞く。大いに納得というより、当たり前のことナニ言ってやがる!ってなもんだ。

でも、その当たり前のことが、日本では長年にわたって放置されてきている。その結果が「初期資源量の2.6%しかクロマグロがいない」ということだ。

ただここで注意しなきゃいけないのは、巻き網漁業者が悪者ではないってこと。まぁ資源事情を知っていて捕ってるのだから、悪いのかもしれない。

でも法的にはこれといって違反をしているとは言えないし、彼らにも生活があり、もし意識高い系漁師が「オレは資源のために捕らねぇゾ」といっても、他の人が捕っちゃうんだよね。だから現場の意識が上がることに、期待しても無駄だと思うんだ。

残念ながら、産卵場で産卵魚を捕っちゃダメって決まりがない。だから決まりを作れば良いだけの話だ。決まりを作るのってだれ?

でも決まりを作っても漁業者が衰退しちゃ本末転倒だから、そこはしっかり保護してあげなきゃいけないと思う。だったら「これ誰が使うの?」みてぇな明らかに無駄な漁港整備とかのカネを、そっちの生活に回してあげれば良い。資源が回復すれば、漁業は必ず儲かるようになる。きちんと資源管理をやってる海外の漁業を見れば一目瞭然だ。

そうなったら、たっぷり税金を払ってもらえばいいじゃん。

これは単に漁業というひとつの産業の話じゃない。日本の食糧安全保障にもつながる話だ。さらに言えば、日本の6000以上あるといわれる離島を守るためにも、絶対に必要な政策だと思う。なぜなら離島の主たる産業たり得るのは、漁業しかないのだから。

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