■ロッテが「球団」だけを売れない理由、ZOZOが「球団ブランド」を欲しがる理由
というのも、千葉ロッテには球団をおいそれと売れない事情がある。苦境に陥っている韓国本国のロッテだが、借り入れでは、借り入れの条件契約や新規借り換えのコベナンツ条項の中に「日本でのマーケティング上重要な資産」として球団としてのロッテも含まれており、これ単体では売却する判断ができないことになる。
そうなると、ZOZOTOWNが千葉ロッテ球団が欲しいとして200億円の価値をつけたところで無理な話。筋論としてロッテグループの日本支社全体を買ってほしいという交渉になるのはロッテ側からすると当たり前で、だとすれば報じられた金額の10倍、2,000億円は下らないディールになるのだ。
他にも身売りの話が絶えない球団があるが、首都圏にある球団も、大株主である外資系企業から「見た目の赤字以上のマーケティング上の価値があり、重要な資産であって、無断の譲渡は認められない」と釘を刺されている。
過去の球団売却の話が出たケースでは、南海、近鉄、阪急の場合は関西ローカルの私鉄でマーケティング価値は乏しかった。大洋漁業からTBSに譲渡されたホエールズも長らく球団経営の不振だけでなく地元地権者の暴力団問題に苦しめられてきたため、球団売却はやむなしという判断となった。
だが、今回のZOZOTOWNの話は別だ。すでに球団ブランドがマーケティング上、非常に価値のある有用なものだという理解が進んだ後の話であり、特にZOZOTOWNは通販だけでなく、18年度からPB(プライベートブランド)展開も始めている。ZOZOTOWNの経営上、プロ球団は喉から手が出るほどほしいブランドであり、同列に考えることはできないだろう。
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