最近、フランス全土で燃料税の増税に反対する抗議デモが起こっています。

11月17日、フランス全土で28万人以上が道路を遮断する大規模なデモが発生。

これを皮切りに、24日には警察部隊に物を投げつけたり、車に火をつけるなどデモ隊の一部が暴徒化し、フランス全土で130人が逮捕されました。それ以降抗議デモは、死者を出すなど日を追うごとに激化し、13万人が参加した12月1日のデモは再びデモ隊と警察部隊の激しい衝突が起こり、300人近い負傷者が出た模様です。

デモの一部が暴徒化し、死者も出ている事を受け、マクロン政権はいったん方針転換し、増税を先送りせざるを得ないと判断。来年1月に予定していた増税を6か月延期すると発表しました。

こんにちは! チバレイです。

流石は市民革命(ブルジョワ革命)の本場! なんて感心している場合ではありません。暴徒化した一部のデモ参加者は略奪を図り、またある者は破壊する事で鬱憤を晴らすかのような有り様です。大規模デモが暴徒化するという事は、つまりはそういう事なのでしょう。

デモ参加者が作業用の黄色いベストを着用した「イエローベスト運動」は、左右両翼の垣根を越えた抗議運動として、現政権を吹き飛ばしかねない勢いを見せています。それ程にフランス国民は大きな不満を募らせたのでしょうが、一部とはいえ、暴動ともとれる騒ぎに、大義を見出だす事が難しくもあり、複雑な心境で見守っています。

このマクロン政権、好スタートを切ったものの、痛みを伴う改革への反発、企業への税制優遇、雇用不安、失業者の神経を逆撫でするような発言等で、国民からの支持は下がる一方だったようです。

取り組む制度改革は間違ってないが、痛みを被るのはイヤ!って事なのでしょう。そして燃料税の増税が国民の怒りに火を着けたという事らしいのです。

お国柄とはいえ、国民が不満を募らせた挙げ句、爆発し暴徒化する事、力によって民意を突き付ける事を「民主主義」とするならば、私たちは「民主主義」の併せ持つ危険性についても十分に認識しなければなりません。

他国の話とはいえ、早期の終息を願っています。

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