仮想通貨交換業を手掛けるDMM Bitcoinは、仮想通貨の決済領域へのビジネス展開の検討を開始している。DMM Bitcoinの田口仁社長は、このほどコインテレグラフとのインタビューの中で、「将来的に資金移動業もしくは前払式支払手段といった分野でのライセンス取得を検討していく」ことを明らかにした。田口社長は、機関決定を経ていない、あくまで個人的見解としながら、「(法定通貨とペッグした)ステーブルトークンのイシュア—(発行者)となることも考えていきたい」と語った。

足元の仮想通貨相場が低調な中、取引プラットフォームを提供する仮想通貨交換業者にとっては昨年末に比べると、取引高が減少している状況だ。DMM Bitcoinも例外ではないようだ。

「昨年の今頃に比べて非常に落ち着いている。低調という状況は、事実として間違いないと思う」

「相場が好転する中で、お客様が増えることはあり得る」としつつも、田口社長は仮想通貨業界の変化にも対応する必要があると指摘する。

岐路に立つ仮想通貨交換業

田口社長は「3年後に来るかと思っていた変化が、今まさに足元で起こっている」と話す。

「仮想通貨が分散型台帳技術という新しい技術を用いた上で、価値の交換や価値の流通を目指したものだったが、それが1つの社会基盤として受け入れられるのか。それとも淘汰される段階に入るのか。その分かれ目が3年後だと思っていたのが、足元のところで迫ってきている」

そのような変化の波が来る中で「仮想通貨交換者自体も岐路に立たされている」とも話す。昨年のように取引参加者が急速に拡大することが難しくなっている中で、仮想通貨交換業者自体も従来のサービスのみを提供するだけの存在では限界があるのではないかと、田口社長は語る。

「変化に対応できたものだけが、サービスを提供する事業者として生き残っていけるだろう。変化に対して対応できなかったならば、淘汰される可能性がある」
「登録業者となっている人や、これから登録しようとしている人たちにとって、自分たちの提供価値が一体なんであるのか。それを踏まえて、どういうビジネスやサービスを展開しながら、お客様に提供していくのか。そういった部分の再定義が、いずれにしても必要になっているのではないだろうか」

もちろん、最初のミッションだった「低コストで安全・安心な取引プラットフォームを提供することは変わらない」としつつ、提供できるサービス範囲を拡大していくことがどの事業者にとっても喫緊の課題だと指摘する。

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