パリに行ったら、まずはルーヴル美術館でモナリザを見なければ、と、楽しみにしている人は多いと思いますが、実はこのモナリザが1911年8月22日から1913年12月12日の間、行方不明になっていたことをご存知でしょうか?
しかも、その盗まれ方は非常に単純で、モナリザは人気のない時間帯に壁から外され、服の下に隠されて持ち運ばれるという方法で盗まれてしまいました。
フランスが世界に誇るルーヴル美術館、しかも世界的名画のモナリザの盗難事件は国境が封鎖されるなどの大ごとになりましたが、2年以上も発見されない状態でした。
その後、モナリザはイタリアで発見されます。犯人はダヴィンチと同郷人のイタリア人。「故郷に盗難品を戻したかったのだ」と証言をした犯人ビンセンツォ・ペルージャ氏は数か月牢に入ったものの、釈放後は平凡な人生を送りました。
フランスは二度と盗まれないようにと、現在はモナリザ専用展示室で厳重に守られており、不用意な行動をとれば絵のすぐ傍に座っている警備員がすっ飛んできます。
麗しのモナリザは、その他に類を見ない美しさで難を逃れ、またモデルの女性の墓が掘り起こされるなどの悲劇を負いながら、今日もルーヴル美術館を飾ります。
名称 ルーヴル美術館
所在地 Rue de Rivoli, 75001 Paris, France
公式ホームページ https://www.louvre.fr/jp
5. 強奪品で構成された世界最大の美術館 イギリス・大英博物館
ヨーロッパ最大の盗難品の美術館といえば、もちろんイギリス、ロンドンの大英博物館です。
大英博物館で盗難が相次いだのではなく、この博物館そのものが盗難品で構成されている、と言う意味で有名です。
イギリス王室祭具の1つである大英帝国王冠をはじめとしたイギリス王室ゆかりの宝飾品はロンドン塔にあるため、イギリス固有の展示品といえば、僅か中世コーナーの1区画だけとなっています。
イギリスの強引な略奪の歴史は、日本にあるべき多くの浮世絵が大英博物館に収蔵されているという点でも、感じられるかもしれません。
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