金融インフラの未開発なアフリカ地域が暗号資産(仮想通貨)の採用における肥沃な土壌となっていると分析企業アーケイン・リサーチと暗号資産取引所ルノーが共同レポート「The State of Crypto Africa 2020」で伝えている。

アフリカ大陸の複数の金融課題が暗号資産の普及促進につながるとして、アーケイン・リサーチとルノーはサマリーでこう述べた。「アフリカは多様な地域だが、アフリカ諸国は重要な類似点と傾向を共有している。高インフレ率や通貨の不安定性、そして資本規制や銀行インフラの不足といった金融課題は、代替案の発芽にとって肥沃な土地を形成している」。

レポートによると、アフリカにおける暗号資産の代表的な使用例が送金だ。出稼ぎや国外在住の親類縁者からの送金は地元世帯の重要な収入源となってきた。今年4月に発表された世界銀行のレポートによると、サハラ以南のアフリカ出身の国外労働者が地元世帯に向けた送金額は、2019年だけで約480億米ドルに上った。従来の送金サービスの場合、この地域へ200ドル送金するのに平均9%(国際平均5.6%)の手数料が生じる。成人10万人当たりの商業銀行支店数は世界平均より61%少ないため、アフリカ地域の支払いはアクセスも不便だ。

こうした問題に対処する暗号資産サービスが、ケニアを拠点とするBitpesaだ。Bitpesaはケニアの国民が銀行口座を必要とせずに、モバイルウォレットに現金を送金できる交換プラットフォームとしてスタートした。Bitpesaはアフリカ諸国の法廷通貨へと対応を増やし、現在ではロンドンやルクセンブルクにも拠点を設けている。Bitpesaの創設者、エリザベス・ロッシエリョ氏が世界経済フォーラムのグローバルブロックチェーン協議会の共同議長に就任したことからも、同社に対する評価の高さが窺える。

レポートはまた、主要なピアツーピア(P2P)取引プラットフォームPaxfulを取り上げている。Paxfulのアフリカ大陸全体のウォレット数は135万件(全世界の45%)を占め、該当地域の取引件数は前年比64%拡大している。データサイトCoin Danceによると、従来のP2P プラットフォームLocalBitcoinsと合算したアフリカ大陸のP2P取引量は毎週1,000万米ドルを超えている。

「アフリカでデジタル通貨がユビキタスになるのは時間の問題」と、ルノーのマーカス・スウェインポエルCEOは語る。同氏は、アフリカ諸国が伝統的な金融システムから暗号通貨へ完全な移行を最初に実現させると見ている。アフリカはルノーの顧客ベースの4分の3を占めており、同社のアフリカの3拠点(ラゴス、ケープタウン、ヨハネスブルク)は合計で2020年に1日平均450万米ドルを処理したという。ルノーは取引だけでなく暗号資産の教育に注力しており、アフリカの普及に貢献している。

(記事提供元:HEDGE GUIDE)
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