次々と奇抜な建築物が誕生するバクーとはうって変わって、シェキの町は百年以上も前から時をとどめているかのよう。「シルクロード」という言葉がもつ独特のロマンが、今も生き続けています。
シェキ最大の見どころといえるのが、18世紀にこの地を統治していたハーンの夏の離宮であった「シェキ・ハーン宮殿」。
2層構造の建物で、部屋数は6室と、規模こそ大きくないものの、色とりどりのヴェネツィアングラスと細やかな木の細工で飾られた窓や、花や鳥などを表現したフレスコ画で彩られた内部は目を見張る美しさ。見れば見るほどその装飾の繊細さに引き込まれ、ずっと眺めていたくなってしまうほどです。
ステンドグラスと木工細工はこの地方の特産で、観光案内所のある建物で行われている伝統工芸品の展示販売や町の歴史博物館では、ステンドグラスと木を使った装飾窓やガラス細工が見られます。
シェキ・ハーン宮殿と並ぶもうひとつの見どころが、かつて隊商宿だった「キャラバンサライ」。
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