■「街宣右翼は在日朝鮮人」説、「右翼は暴力団」説の真相とは?
さて、インターネットの普及によって現代人は様々な恩恵にあずかってきました。同時に「悪意」ある情報もたくさん存在し、それら歪曲した情報によって歪な知識を得てしまうことも多くあります。
たとえば「右翼の正体」なるサイトは以前から知っていましたが、改めてその悪意と思い込み・勉強不足に呆れてしまいます。
有名なのは「街宣右翼は在日朝鮮人だ」とする説。過去に右翼が起こした事件を取りあげ、その中から在日の活動家の名前のみを列挙しています。そしてそれを見て金科玉条のように思い込み、ことあるごとに「朝鮮右翼w」とする書き込みが多く見られます。
昭和20年代の後半から実に多くの「反共」を掲げた団体が我が国に誕生したことはご存知の通りです。昭和35年の60年安保闘争をピークに、世は赤旗革命前夜の様を呈していたのですから。当然軍事政権下の韓国に至っては38度が防共ラインだったわけで「反共」は国是だったのです。
それに呼応し在日の韓国人たちが「アジアの民族」として「反共」運動を展開、日本の右翼団体と連帯することは何ら不思議なことではなかったのです。東西冷戦下での日韓にまだ会話が成立してた時代の話です。もちろん現在も右翼として名を連ねる在日の方はおられます。日本に住んで日本の天皇陛下を敬い、その日本の国旗・国歌を大切に思うことのどこがおかしいでしょうか。
それから「右翼は暴力団」とする説。これは、一部事実です。実際に「任侠右翼」とされる団体がありますから。しかしながら、例え暴力団であっても天皇陛下の名の下に等しく臣民であり、その臣民が愛国心の発露から右翼運動に取り組むことは全くおかしなこととは思えません。「下劣な反日勢力の暴力に対して正義の鉄鎚を下す任侠の右翼!」ということも、戦前戦後には普通にあったようです。
暴力団の隠れ蓑に政治結社が利用されることは昔からあります。しかしながら運動を続けるうちに、いつしか心身共に民族運動に身を投じ、本業(?)を辞めていかれるケースも多々あるとか。そうでない団体を警察当局は「社会運動標榜ゴロ」として違った意味で監視しているのです。
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