熱いヤツだけど映画以外何もできなかった

──「岡本太郎だけじゃなくて岡本真夜の影響も受けてる」っていう発言は覚えてます?

上田 え、覚えてないです。受けてないはずですよ。

──「昔、岡本真夜が歌ってたよね。”涙の数だけ強くなれるよ”。辛い時、悲しい時、心がすんげぇ折れそうな時、ふと、その歌詞のフレーズを口ずさむ時がある。何度も何度もそのクソダセぇ歌詞に助けられたよ、ほんと」「マジな話、いずれビッグになったら、すんげぇ大げさな花束を持って、岡本真夜にサンキューを言いに行こうと思ってる。『涙の数だけ強くなりましたよ。ありがとう』」って書いてたんですけど、そろそろ花束を持って行かないと!

上田 ハハハハハハ! なるほどね、そこまで岡本真夜さんにはハマッてなかったと思います(笑)。その曲はすごい聴いてましたけど。

──「ありがとう!」と言いには行かない。

上田 はい(笑)。真性ですよね、真性の痛いヤツというか。

──それはボクは久しぶりにいろいろ読み直しても思ったんですよ。ただ、ホントに痛い人がこれだけちゃんと結果を出したという事実をボクらも受け止めなければいけない。痛いヤツにも可能性があるんだっていうことを。

上田 そうですね、ちゃんと方向を調整してあげれば。「どうやったら上田さんみたいにそういうところから成功できるんですか?」みたいなことをよく質問されて、「失敗を恐れるな」とかそういうことは言いますけど、でも真性が絡んできてるところもあると思うんですよ。

──どれだけ本気になれるかですよね。

上田 それがホントに遺伝かもしれないし、難しいところではありますよね。

──完全にズレてる人だと思うんですよ。ボクが読んでてあれ? と思ったのが、「携帯販売の仕事で大きなミスを連発したので、気合いを入れるという意味で下の毛を全部剃ってパイパンにしました」みたいな告白で。……何やってるんですか?

上田 ハハハハハハ! それは覚えてますね。当時、ヨドバシカメラのなかの携帯ショップなんですけど、そこの店長をすごい慕ってたんです。その人に、「すみません、ちょっとけじめつけてきました!」って言って、見せたらすごいどつかれたんですよ。

──ダハハハハ! 「そういうことじゃねえんだ!」と。

上田 はい。ただ、ヨドバシカメラの携帯ショップで働いてるときも、日本地図を作って、1台売ったら沖縄から北海道まで1個ずつ駅が近づいてくるみたいな表を作ってみんなでモチベーションを上げていきましょう、とかやってましたね。

──職場でもちゃんと熱いヤツとして。

上田 熱いヤツとして。僕、携帯の売上はふつうやったんですよ。

──それだけ熱く頑張ってるのに(笑)。

上田 コールセンターで働いたときも、いろんな熱いことしようぜってやってたんですけど、成績は平凡やったんですよね。それはちょっとグサッときました。やっぱり得意と不得意はあるんだな、なんでもできるわけじゃないんだな、と。

──カフェバーをやろうとしたときも、料理の腕は全然なかったみたいだし。

上田 まったくでしたね。そのあといろんなことやりましたけど、バイト先では平凡な成績ばかりでした。

──映画で初めて結果が出て。

上田 映画で高校のときに結果が出てたのに、遠回りして。なんでもできると思ったんだけど映画以外は何もできなくて。で、短編を作り始めたら賞をいただいたり、結果が出て。だから得意と不得意があるなっていうのはわかりました。そのときは携帯販売とかも好きになろうとしてるんですよ。カフェバーとかも好きになってるんですけど。

──コンビニもちゃんと好きになってましたよね。

上田 好きになってました。だから好きなことを仕事にしなさいっていうことでもないのかなっていうのはあるんですね。得意不得意ってあるんやなっていう。

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