日本各地にはそれぞれの街や地域の方々がこよなく愛し、磨き上げられてきた絶品グルメが必ず1つや2つ存在する。

しかしその絶品グルメは、ほとんどの場合地元の人にとっては「常識」や「当たり前」のため、その街や地域以外の人にはなかなか知られることがないのが、現状である。

例えば、愛知県・安城市にある「北京本店の北京飯」広島県・広島市にある「陽気のラーメン」石川県・金沢市にある「グリルオーツカのハントンライス」新潟県・新潟市にある「みかづきのイタリアン」大阪府・大阪市にある「かどやの豚足」長野県・上田市にある「日昌亭の焼きそば」北海道・札幌市にある「だるまのジンギスカン」などなど、さまざまな美味しいグルメがキラボシのごとく日本各地に輝きを放って存在している。

今回はそんな絶品の地方グルメの中から、福井県福井市が誇る、元祖ソースカツ丼のお店をご紹介したい。

お店の名前は「ヨーロッパ軒総本店」。

・1913年(大正2年)創業の元祖ソースカツ丼のお店、それがヨーロッパ軒総本店
こちらのお店、日本のソースカツ丼の元祖と言えるお店。

1913年(大正2年)と言えば、国内で養鶏が本格化し、東京市内のガス灯消え電灯が普及していくなど、日本が近代化に向け進んでいた時代。

そんな時代に、ドイツ・ベルリンの日本人倶楽部で6年間料理を学んだ高畠増太郎が、ドイツのシュニッツェルをウスターソースで味付けして丼飯に載せた料理を考案、これを「カツ丼」と名付けて1913年に料理発表会で披露し、当時の東京市牛込区にヨーロッパ軒という洋食店を創業したのだ。

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