11月8日に放送された『マツコの知らない世界』(TBS系)で、MCのマツコ・デラックス(50)が見せた鋭い言語感覚に視聴者から感嘆の声が挙がっている。

この日の後半のテーマは「辞書作りの世界」。365日24時間言葉を集める辞書編纂者の飯間浩明(55)さんが案内人として登場し、出版社ごとに特徴が異なる辞書について語る流れとなっていた。

飯間さんは若者言葉や主婦の間でよく使われている言葉にも敏感で、近年の流行語であった「わかりみ」など、「形容詞+み」の種類を紹介。興味深いと言えば興味深いが、かなりニッチな世界へのこだわりにマツコは当初苦笑気味であった。

しかし、後半で飯間さんが「凡人」という言葉をピックアップし、広辞苑や明鏡国語辞典、新明解国語辞典の3つの辞書による説明の違いを解説すると、マツコは敏感に反応。広辞苑に記載されている「凡人には理解しがたい」という例文を指して、「凡人って特に優れたところのない、普通の人って意味だけじゃないわよね。人とは違うことをする変わった人を指して、『凡人には理解しがたい』って言う人いるじゃない。それって『(変わっていると思われるなら)自分は凡人でいいですよ』っていう揶揄が込められているのよね」と鋭く突っ込んだ。

元雑誌編集者らしく、言葉に対して鋭い感覚を持っているマツコに飯間さんも少々タジタジに。「そうですよね」と同意しながら、他の辞書との解釈の違いを説明して番組を締めることとなった。

一見地味なテーマながら、マツコの得意分野が発揮されることになったこの回に対して、視聴者は「凡人の掘り下げおもしろいな。こういう番組できそう」「さすがマツコさん言葉の感覚が鋭い」「凡人の一言で盛り上がるマツコと飯間さんのやり取りが実におもしろかった」と好反応を示していた。

「意外とこういうニッチなテーマのほうがマツコの良さが活きるかもしれませんね。『知らない世界』と言えば、食べ物を紹介するイメージが強いかもしれませんが、さまざまなテーマにも幅広く対応できるマツコの良さが目立つのは、今回のような回と言えそうですね」(芸能ライター)

トークで人気を得ているマツコが本領発揮したこのテーマに対して、「もう一回、今度は他の言葉を取り上げて欲しい」という声も少なくなかった。