過日、交通広告などで著名タレントを使い「毎月5万円で1億円は貯められる」などと称し、一般の投資家から資金を集め、関東財務局から行政処分を受けた旧アブラハム・グループHD社の高岡壮一郎氏。その後、あゆみトラストHD社として再出発… したものの、今度は「ソーシャルグッド財団」と称し、仮想通貨・ICOビジネスに進出していることが話題となりました。

アブラハム・プライベートバンク株式会社に対する行政処分について(金融庁・関東財務局)

http://kantou.mof.go.jp/kinyuu/pagekthp033000024.html

アブラハム「いつかはゆかし」誇大広告の疑い - やまもといちろう 公式ブログ

https://lineblog.me/yamamotoichiro/archives/2999140.html

アブラハム「いつかはゆかし」の業法違反と誇大広告(有利誤認)について(修正あり)(修正あり)(山本一郎) - Y!ニュース

https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20130818-00027346/

その「ソーシャルグッド財団」と称する高岡壮一郎氏の団体ですが、果たして本当に財団として登記されているのでありましょうか。登記を調べてみると、財団と名乗っているものの、実態は単なる株式会社で、財団ではなさそうです。

「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」では、ただの株式会社なのに「ソーシャルグッド財団」と名乗って財団と誤認させる商法について、以下のように禁じています。英文表記のFoundationも財団ですので、どちらにしても適法ではなさそうです。

第六条 一般社団法人又は一般財団法人でない者は、その名称又は商号中に、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。

しかしながら、高岡壮一郎さんは自身の公式ホームページですらずっと「Social Good財団」と連呼して、財団であることをアピールしています。途中で「財団を名乗るとまずい」と思ったのか、「Foundation」に書き換えてますが、どっちにしろ財団を自称しているということに違いはありません。

https://socialgood-foundation.com/jp/interview/

同様に、ソーシャルグッド財団のICO事業のホワイトペーパー(仮想通貨やICOの、構想および可能となる技術的な裏付けなどを説明する文書)では、「Social Good エコシステム」が商標登録済みとされていますが、データベースを見ると現在もまだ登録申請中です。ところが、その主たる単語である「Social Good」は昨年2017年12月に別の会社がすでに商標登録済みで、後発のソーシャルグッド財団が商標登録を確保できる可能性は未知数です。なんで先に商標登録がされていない単語探して商標登録を押さえてからブランディングしなかったのでしょう。

また、そのソーシャルグッド財団のサイトや、掲載されているホワイトペーパーにおいては、「取引実績」として多数の大企業のロゴが掲載されてあり、あたかもこの「ソーシャルグッド財団の理念に賛同して、ソーシャルグッド財団の発行するICOトークンの購入や頒布に協力しているかのような書きぶりです。

中には私の取引先もあるため、個別に連絡を取り、本当にソーシャルグッド財団のICOトークンに賛同しているのか? と聞いてみたところ、次のような反応でありました。

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