事実に基づかない発言をしたとして出勤停止10日間の謹慎処分を受けていたコメンテーターの玉川徹氏(59)が、10月19日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に15日ぶりに出演。改めて発言の経緯と謝罪を行った。

この日、オープニング直後にスタジオにいる司会の羽鳥慎一(51)が「玉川さんの10日の謹慎が昨日で終わりました。ここで玉川さんから改めて説明、おわび、そして今後についてです」と報告。

するといつもならコメンテーター席に座っていた玉川氏が、スタジオではなく報道フロアの別室から出演。「おはようございます」と挨拶をしたあと、「今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通及び菅前総理大臣に対し、改めてお詫び申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ、それは私の慢心とおごりがあったからだと反省致しました。申し訳ございませんでした」と神妙な面持ちで謝罪し、深々と頭を下げた。

続けて「謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして、事実確認こそが報道の根幹である。その原点に立ち返っていくべきだと考えました」とコメント。

今後については「これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対し、コメントを続けてきました。これからは現場に足を運び取材をし、事実確認をして報告する。その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。そして、その結果はこの『羽鳥慎一モーニングショー』でお伝えするという、そういう風な考えに私は今回いたりました」と、一部でささやかれていた“降板”ではなく何らかの形で番組に関わり続ける意向を明かした。

なお、こうした処遇は報道局幹部との話し合いによって決定したとのことで「視聴者の皆様にもご理解いただけるとありがたく存じます」と語った玉川氏。そして「今後、このような形で仕事を続けてまいりますが、ご支援のほどよろしくお願いします」と改めて頭を下げた。

玉川氏は9月28日の番組内で、国葬で菅義偉前首相が読んだ弔辞が紹介されたあとのスタジオで、「僕は演出側の人間。テレビのディレクターをやってきましたから。そういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように」「当然これ、電通が入ってますからね」と発言。しかし、翌29日には番組内で「事実ではありませんでした」と謝罪し、10月5日から10日間を出勤停止とする謹慎処分を受けていた。

玉川氏のコメントのあと、羽鳥アナは「基本に立ち返るというのは玉川さんの思いであり、テレビ朝日の考えであり、私も同じ思いです。これから玉川さんは現場に足を運びまして、玉川さん独自の目線で取材そして分析をして番組に報告をするという形をとらさせていただきます」とし、「バング委をご覧いただいている皆様の信頼を回復できるようにこれからもしっかりと番組作りを進めてまいりたいと思います」とコメントしていた。

降板とはならなかったものの、今回の玉川氏の処遇をめぐってSNS上では「玉川さん謝罪してるの見ててつらかった。言論弾圧すごいな」「『電通』って言っただけでこんな公開処刑みたいな謝罪を何度もさせられ、謹慎までしなきゃいけないって恐ろしいですね」「やっぱテレ朝っておかしいよね」「テレビどころか、国会で嘘をつきまくって謝りもしない奴らがいる。それも事実を知った上で。それに比べれば、翌日にちゃんと事実誤認を認め謝った、それで十分」「観ていてちょっとかわいそうに思えるくらいだった」といった困惑の声が続出している。

「今後、玉川氏がスタジオの外からコメントするのか、取材した内容がフリップなどで紹介されるのかはわかりませんが、コメンテーターとしてスタジオ出演することはないと思われます。ただ、玉川氏が謹慎している間『玉川がいないとつまらない』『玉ちゃん早く戻ってきて』という声が多かっただけに、この判断が視聴率に何らかの影響を与える可能性はありますね」(政治記者)

一方で「あくまでも電通への謝罪が先w視聴者にバレないように政治的意図を含めて視聴者を騙していたことへの言及は無しw」「玉川徹は今後裏方の演出側に回って政治的意図を匂わせないような取材結果の報告を作るのですね」と揶揄する声も。

いずれにしても今後は、報道番組として正しい情報に基づく発信をしてほしいものだ。