アップダウンの激しい13.7kmのコースは、決して楽ではありません。しかし、しんと静まり返った山の中、石畳や土を踏みしめ歩みを進めると、数百年間前の人たちと同じ景色を見ているようで、今と昔がつながる感覚を覚えました。暗い道を抜けて光が差したときの安心感や、道中に飲む水のおいしさは、同じだったのではないでしょうか。

大井宿

大井宿は江戸から数えて46番目の宿場です。恵那駅前のやや北東、大井橋を渡った辺りから上横橋辺りまで、横町・本町・竪町・茶屋町・橋場町の5つの町からなり、全長は710mにわたります。

本陣は戦後すぐ火災に遭い、立派な正門(上写真)と庭園あたりが残るのみです。脇本陣も残っていませんが、庄屋古山家の屋敷は健在で、現在は中山道ひし屋資料館として公開されています。

大井宿のもう一つの見どころが、明治天皇大井行在所(あんざいしょ)と長屋門です。行在所とは行幸(天皇が外出すること)の際の仮の御所のこと。明治13年6月28日に、明治天皇が大井宿の旅籠であったこの屋敷に一泊され、現在でも当時の座敷、風呂場、便所が保存されています。

お宿 Onn 中津川

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