■多くのゲイは政治利用を望んでいない!? 誰のためのLGBT支援なのか

恥ずかしながら、私は日本に来る前にLGBTという言葉すら知らず、「同性愛」としての認識しかありませんでした。

私の旧著『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)に漫画を描くときに、新宿二丁目・いわゆる「ゲイタウン」の店に取材で訪れました。オーナーと従業員の二人はLGBTのGでした。

彼らはカミングアウトしたら、多少奇異な目で見られることを語りました。しかし、仕事は普通をこなし、店の経営で安定な収入を得て、ノーマル(異性愛)と変わりないような生活をしていました。

杉田水脈議員が言った通り、彼らは経済的な弱者ではなく、国の税金で支援する必要性を感じていません。生まれつきの性別と心の性別が一致していない「T」、いわゆる性同一性障害については、社会的な支援が必要というのは私も賛成です。

2012年、私は日本に短期滞在で幕張メッセのゲームショーに行きました、会場の外にムスリムと見られる中東の顔付きの男性十数人が「同性愛はいけない」と書かれたプラカードを持って抗議デモを行っていました。彼らの目的は日本製のゲームの中に登場するBLや百合(女の子同士の恋愛)キャラクターとエピソードを削除しようとして活動していました。

これは断じて許されない。外国人が自身の宗教の理由で、日本の表現の自由を弾圧する上に、日本のLGBTを差別する行為になります。しかし、日本の「LGBT当事者ではない、LGBTのため戦う人権派と自称する人たち」は、この現実に言及したことはなかったでしょう。

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