シュヴェービッシュ・ハルは、南西ドイツのマンハイムからチェコのプラハまで続く古城街道に属する町。「ハル」がケルト語で「塩」を意味することからも分かるように、紀元前にケルト人が住んでいた頃から町では製塩が行われていました。
中世には製塩に加えて銀貨の鋳造もはじまり、町はみるみる裕福に。旧市街をうめつくす立派な木組みの家々は、塩と銀貨が町にもたらした富の象徴でもあります。コッハー川の対岸から望む旧市街は、この町のハイライト。木組みの家が幾重にも重なる大迫力の光景に息をのむことでしょう。
市庁舎のある広場周辺は、ほかとは少し異なる優雅な雰囲気。というのもこの辺りは18世紀の火災で多くの建物が焼失し、その後はバロック様式で再建されたからなのです。
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